空き家問題を考える

空き家に対する備え①:まずは空き家を調べてみよう

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さて、みなさん。

永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)中谷耕三です。

今回は、
空き家に対する備え①
まずは空き家を調べてみよう

と題して、
空き家に対する備えについて考えてみたいと思います。

 

いずれ実家を相続するけど、まだ何もしていない方へ

いずれは空き家になる実家を相続するけど、
そうなってから考えればいいのでは??

こんな風に思われている方も多いかと思います。

空き家問題は、なかなか自分事ととして捉えにくい問題です。

しかし、いったん空き家になると、
ますます対応が難しくなります。

そこで今回から数回にわたり、
【 空き家に備える 】

をテーマに、
空き家に対する事前準備をまとめたいと思います。

 

空き家になった後の活用や売却には、

  • どこに建っているのか
  • どれほど劣化しているのか
  • どんな規制があるのか

など、様々な制約があります。

これらをまずは整理して、
空き家をどうしていくのか。
をより具体的に検討できます。

それでは、
空き家を調べる要素を解説しましょう。

 

建物の性能・劣化状況

耐震性能を調べる

1981年以前に建てられた住宅は、
求められる耐震性能は無く
今後の活用には支障をきたす可能性があります。

耐震性能は、建築士による
【耐震診断】
によって、耐震性能の有無を調べることができます。

各市町村単位で、
耐震調査に補助金が付く制度がありますので、
まずは市役所・役場に問い合わせてみてください。

 

劣化状況を調べる

屋根・外壁・柱や梁などの主要構造部などの
劣化が進んでいる場合も、
今後の活用には支障をきたす可能性があります。

建物の劣化状況を調べるため、

既存住宅状況調査技術者による、

建物調査(ホームインスペクション)

を行い、劣化状況を調べることができます。

ホームインスペクションとは、
既存住宅状況調査技術者や建築士が、
第三者の立場で専門家の見地から、
劣化状況・欠陥の有無・改修すべき箇所
等を見極め、アドバイスを行う専門業務です。

詳しい内容は、
当社ホームインスペクション専門ページ
をご覧ください。

 

建物の立地の規制

住宅が立地する場所によって、
法律や条例の規制を受けて、
住宅の活用の用途が定められています。

代表的なものをご説明しましょう。

市街化調整区域

建物が建つ地域は、
都市計画法によって定められた区域区分にわかれており、
大きく3種類あります。

  • 市街化区域
  • 市街化調整区域
  • 区分なし

の3種類に分かれます。

この中で、
地方に行けが行くほど多くなるのが、
【市街化調整区域】です。

市街化調整区域は、
環境などを保全するために
「市街化を抑制すべき」区域のことを指します。

都市開発を抑える必要があるため、
原則として住宅や商業施設などの建物を建てることはできません。

ただし、市街化調整区域であっても、
制限が緩和されている区域もあります。

市町村の建築担当窓口にお問合せください。

 

敷地が道路と接しているか

住宅がが建っている敷地に、
道路が原則2m以上接していないと、

たとえ空き家を解体しても、
再び建物を建てることができない可能性があります。

住宅周辺の道路もチェックしましょう。

 

土地の規制

続いて、
住宅が建つ土地そのものについて調べてみましょう。

ハザードマップ

各自治体が整備している【 ハザードマップ 】

洪水・土砂災害・津波・高潮・ため池の決壊

など、自然災害のリスクを把握するために策定されています。

その土地の災害リスクを把握しておくことで、
土地や建物の今後の活用に、
災害の備えを取り入れることができます。

あなたの街のハザードマップが気になる方は、
国土交通省が運営する、

ハザードマップポータルサイト」

がありますので、
まずはこちらからチェックしてみてください。

 

農地や山林をお持ちの場合

住宅の敷地以外に農地や山林を所有している場合、
それらにも様々な制限が発生します。

まずは農地の場合
農地法の制限により
売買や地目の変更等ができない場合があります。

まずは市役所・役場の
農林担当部局に問い合わせてみてください。

続いて山林の場合
森林法の制限により、
保安林の指定がされていると、
活用できない場合があります。

都道府県の農林(水産)進行事務所にお問合せください。

 

土地・建物の価値

土地や建物の実際の価格も気になるところです。
こちらも調べることができます。

実際の取引価格

不動産の価格は、
実際の場所や形状により大きく異なります。

不動産業者によっても異なりますので、
複数の不動産業者に問い合わせてみましょう。

近年では、インターネット上で
複数の不動産業者を一括で調べるサイトも多数存在します。
こちらのサイトも活用されてはいかがでしょうか。

 

参考値(公示地価)

公示地価・基準地価・路線地価で
概ねの土地価格を調べることができます。

国土交通省 地価公示

国税庁 路線価

のサイトから調べることができます。

また、土地建物の評価額は、
固定資産税通知書に添付される
【課税通知書】
に示されています。

各市町において、
固定資産税の評価額の証明書
を取得することができます。

 

今回のまとめ

・住宅の性能調査は

【 耐震診断 】
【 ホームインスペクション 】

・住宅の立地調査は

【 市街化調整区域かどうか 】
【 接道は2m以上あるか 】

・土地そのものの調査は

【 ハザードマップ 】
【 農地や山林も持っているか 】

・土地や住宅の価格は

【 複数の不動産業者に問い合わせ 】
【 複数の不動産業者を一括で調べるサイトもアリ 】
【 公示地価をサイトで調べられる 】

 

空き家の問題は根深い

さて、いかがだったでしょうか。

今回は
空き家を様々な角度から調べる
ことをまとめてみました。

これからも、

  • 空き家が地域に与える影響
  • 家族で考えておきべきこと
  • 空き家の管理の方法

等を書いていきたいと思います。

皆さんの身近で起きている『空き家問題』
お役に立てればと思っています。

以前より書いていますブログ
【 空き家問題を考えるシリーズ 】

も合わせてお読みいただければ幸いです。

【 空き家問題を考える 】シリーズ記事

①空き家の現状を知る

1:避けては通れない!皆さんの身近で起きている『空き家問題』の現状
2:持ち主だけの問題ではない!空き家の劣化と周辺に与える悪影響
3:空き家の維持管理の責任と発生するコスト
4:トラブル回避!空き家を相続するときの注意点

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考資料・出典:

損する・損しない空き家 ~空き家発生予防のための23箇条~
ひょうご住まいづくり協議会事務局

国土交通省 ハザードマップポータルサイト

国土交通省 地価公示

国税庁 路線価

 

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